森や海を散歩するのは、誰にとっても楽しく、良い気分転換になりますよね。しかし、中には自分の限界に挑戦するために、あえて危険なトレイルを選んで、一歩踏み込んだハイキングコースを歩く人もいます。危険なハイキングをすれば、確かに興奮し、鼓動を高鳴らせ、アドレナリンを分泌させますが、一歩間違えれば、転んで大きな怪我、最悪の場合、死に至るようなコースもあります。
最初はやる気満々でトライしたものの、途中でやめたくなるような山もありますが、それでも我慢して頂上まで辿り着く人がいるのです。この記事では、気の弱い人や経験の浅い人が挑戦してはいけない、世界トップクラスに危険なハイキングコースをいくつか紹介します。
ザ・メイズ(アメリカ合衆国)
ユタ州のキャニオンランズ国立公園の一部であるザ・メイズは、この地域全体が行き止まりの迷路のようになっているため、移動するだけでも困難です。そのためか、多くのハイカーが頻繁に救助されているそうです。相互につながった谷や狭い道路を進むのは至難の業であり、経験豊富なハイカーでさえ、迷路のような極端な秘境に戸惑うこともあるようですが、それでも素晴らしい体験ができるため、挑戦する人がいなくなることはありません。
さらに、水の供給もほとんどありません。地図とコンパスがあれば、飲める水のあるオアシスを見つけることができるそうです…。とはいえ、毎年約2,000人しか訪れないということから、いかに隔絶された場所であるかがわかるでしょう。
華山(中国)
世界で最も危険な登山道であると言われている華山のルートは、もともと山頂にある寺院に向かう巡礼者が歩くためのものでしたが、現在では「空中散歩」ができる場所として世界中から多くの観光客が訪れています。山腹に固定された小さな木の板の上を蛇行しながら歩くことになるので、高所恐怖症の人には絶対におすすめできません。体の支えとなるのは錆びた鎖だけであり、それを頼りに岩を切り開いて作られた急な階段を登らなければなりません。ところどころ、木製の板が消えていて、岩に踏み刻まれた足場だけが残っているので、道中は慎重に足を踏み出していくようにしましょう。
エル・カミニート・デル・レイ(スペイン)
「王の小道」とも呼ばれるこのハイキングコースは、スペインで最も危険な道のひとつです。全長約5マイルのルートは、100年以上前に水力発電所へのアクセス用に作られ、地上100メートルの高さにぶら下がっています。ハイカーは狭い木製の歩道を通り、石灰岩の崖を横断することになります。2001年、5人のハイカーが川へ転落して死亡したため、一時立ち入り禁止となりましたが、2015年、歩道にフェンスを設置する改修工事が行われ、入場が再び可能に。以前よりはるかに安全になり、ターコイズブルーの川と美しい景色が望めるようになっています。
ドラケンスバーグ(南アフリカ)
ロイヤル・ナタール国立公園を通るこの40マイルのトレッキングコースで最も難しいのは、始まりの部分です。息を呑むような絶景で知られる登山口に到達するまで、2本のチェーンを登っていかなければなりません。1985年以前は、ドラケンスバーグで死亡した人数はおよそ55人と言われていましたが、その数字はもう記録されていません。動物の足跡や岩をよじ登るなど、このルートで遭遇することになるかもしれない危険の数々はなんとなく想像できるでしょうが、世界で最も危険な道のりのひとつであることを除けば、頂上まで登った先には大変感動する光景が待っています。